エメラルドグリーンの海と断崖絶壁の草原。その中でのびのびと草を食む馬や牛たち。
圧倒的な迫力を誇る火山噴火によってできた赤銅色の崖。
樹齢数百年にもなる杉の大木。
圧倒的な大自然の美しさの中で、
E-bike※1で山の中を颯爽と駆け抜けたり、ガイドと一緒にトレッキングで汗を流したり、カヤックで洞窟探検をしたり。
他にも神社巡りで歴史に思いをはせたり、山奥にふと現れる、広がった空間に流れる滝や不思議な形の杉を見て神秘を感じりすることができる。
隠岐とはそういう島です。
春が旬の綺麗な水で育ったぷりぷりの岩ガキ、脂ののった魚や透き通った新鮮なイカといった魚介類に、のびのびとした環境で育てられた隠岐牛の焼肉など、アクティビティだけではなく、グルメも豊富。
ユネスコ世界ジオパーク※2にも認定されている隠岐。
この記事では、そんな隠岐の魅力を皆さまに届けられたらと思います。
※1E-bike:電動マウンテンバイク
※2 ジオパークとは地質学的に価値があると認められた地域で、生態系やその土地独自の文化を守り、教育や持続可能な経済の発展に貢献する取組を続けているエリア一帯の名称です。ユネスコ世界ジオパークはユネスコの正式事業で、ユネスコより認定された地域のことを指します。(詳しくはこちら隠岐ユネスコ世界ジオパーク)
隠岐4島について
隠岐諸島は、島根県の北東60kmほど先にある群島で、大小併せて180ほどの島からできています。人が住んでいる島は全部で4島あり、それぞれ異なった魅力があります。
上記の地図をみていただいて、左側にまとまってある3つの島はまとめて島前(どうぜん)と呼ばれ、上から時計回りに、西ノ島(にしのしま)、中ノ島(なかのしま)、知夫里島(ちぶりじま)といいます。それぞれ西ノ島町、海士町、知夫村という町村名があり、特に中ノ島は町名の海士町(あまちょう)と呼ばれることのが多いです。そして少し離れたところにある、一番大きくて丸い島は島後(どうご)と呼びます。島の名前はありません! 町名の隠岐の島町と呼ばれることもあります。
島後:神の木やどる、大きな島
隠岐諸島の中で一番大きな島、島後の森は、草が生い茂り、天然杉などの木も大きく育ちやすい環境で、離島ながら森林が深いのも特徴です。樹齢600年から2000年ほどの杉があり、4大杉として観光スポットとしても有名です。
島内各所に巨木、巨岩があることから、巨木信仰・巨岩信仰が根付いています。
また、黒曜石が豊富に採れたことから古来より多くの人や文化が交わってきました。全国各地から人々がやってきた名残もあって、隠岐諸島にはたくさんの神社があり、その数は150を超えます。
島根県には一の宮※が5社あるのですが、そのうちの2社が隠岐諸島にあって、島後には水若酢神社(みずわかすじんじゃ)と呼ばれる一宮があります。こちらの神社と総社である玉若酢命神社(たまわかすみことじんじゃ)を代表として神社を巡るのもおすすめです。
(その他にも、島前・島後とも歴史と風格のある神社はたくさんあります)
古典相撲や牛突き、鳥居をくぐった先にある、山奥に潜む神秘的な滝、杉の巨木信仰など、古えの文化や神秘を感じることができるのが島後の特徴だと言えます。
また火山噴火によってできた島であるため、ユーラシア大陸とつながっていた時代の、本来なら地層奥深くにある岩石などを表層近くでみることができます。
※一の宮とは7世紀後半から10世紀頃までに定められた、一番社格が高いとされた神社の総称を指します。
西ノ島町:焼火と漁と絶景と
西ノ島町は島前のなかでは一番大きな島です。国賀海岸(くにがかいがん)の摩天崖(まてんがい)が絶景スポットとして有名で、絶壁の草原のなかで牛や馬が草を食む姿は隠岐のイメージとしてみたことがある方もいるかもしれません。
草原のなかで牛がのびのびと放牧されている風景が観光名所ともなっています。健康的な食事と澄んだ空気、広大な土地で育てられた牛は隠岐諸島の名産でもあります。このほかにも鬼舞展望所(おにまいてんぼうしょ)という夕陽の絶景ポイントや、かつて、葛飾北斎や歌川広重が絵にも描いたほど昔から親しまれている焼火神社(たくひじんじゃ)もおすすめの観光名所です。焼火神社は、島前でもっとも高い山に鎮座しており、古くから航海の神様として信仰されてきました。
島前の一の宮である由良比女神社(ゆらひめじんじゃ)があるのも西ノ島町です。
浦郷港からの遊覧船や、ここ数年で新しくできたおしゃれカフェなどもおすすめです。
海士町:古きを尊び、新しきをひらく
海士町はEntô(エントウ)という泊まれるジオパーク※の拠点施設が有名です。また大人の島留学生制度という、20代の若者のインターン制度を隠岐の中で一番はじめに始めた地域でもあり、Iターンの若者も多く、活気があります。観光スポットとしては、隠岐諸島の名産、隠岐牛を食べられるレストランや、隠岐にご配流となった後鳥羽上皇を祀った隠岐神社、ハート型に空洞があいたハート岩と呼ばれる岩がある、縁結びスポットとしても有名な明屋海岸(あきやかいがん)などがおすすめです。
知夫村:歴史の悠然、地球の牧歌
知夫村は、人口約600人と4島の中で一番小さな島になります。その小ささから離島の空気を一番味わえる島とも言えます。
昭和初期に持ち込まれたタヌキが逃げ出して野生化し、今では島民よりもタヌキの数の方が多くなっています。
この島でのおすすめの観光スポットは、赤壁(せきへき)と赤ハゲ山、島津島という橋をわたっていける無人島などがあげられます。
火山噴火によって溶岩のしぶきが空気に触れてみごとな赤銅色になった赤壁は、隠岐がジオパークになる所以となった絶景の1つでもあり、みごとな絶壁は写真でみるのとは違う迫力があります。
また赤ハゲ山までの道のりは狭く曲がりくねった細道ですが、みごとな草原で、牛を放牧しており、頂上からは島前カルデラと呼ばれる火山噴火によって生まれた島前の湾が一望できます。
小さい島ながらもIターン・Uターンされた方々が新しく飲食店を開いていて、こだわりの海鮮の出汁をつかったラーメン屋さんや、隠岐の特産品を使用した隠れ家フレンチ、牛舎を改造したこだわりの喫茶店などグルメも楽しめるでしょう。