島の宝観光連盟

【佐渡】日本最大の離島に見る、にっぽん原風景

佐渡といえば、何を思い浮かべますか?

日本海に位置する日本最大の離島、佐渡。
ちなみに離島では、2番目が奄美大島で、3番目が対馬島です。
いずれも、国が有人国境離島に指定している、国境の島でもあります。
さて、佐渡といえば、「トキ」「金山銀山」「たらい舟」などがパッと思い浮かぶのではないでしょうか。
それらの情報は、さまざまな媒体で紹介されていますよね!
そこで今回は、ちょこっとマニアックな視点で、佐渡の田んぼをご紹介したいと思います。
なぜなら、「広大な田んぼ」が見られる日本の島は数多くありません。
最大の面積を誇る佐渡ならではの、田園風景なのではないかと思うのです。
なにより、新潟県民が「佐渡のお米が一番美味しい!」と言うのを
何度も聞いたことがありますし、実際に佐渡で食べるお米は美味しいです。

では、佐渡のお米がどんなところで育っているのか、ご紹介したいと思います。
(とはいえ、たくさんありますので一部です)

広大な田園風景に、トキを見る

私は、いつも佐渡へ行くには、新潟港から両津港(佐渡)の航路を利用します。
ジェットフォイルで65分、カーフェリーで2時間半の船旅です。
新潟の直江津港から小木港(佐渡)へ行く航路もありますよ。

さて、両津港でレンタカー(佐渡めぐりには必須!)を借りて島を走り出すと、
広大な田んぼが道の両側に広がり、とっても牧歌的です。
揺れる稲穂の間から、情緒的な日本家屋がぽつぽつと姿を見せて、ひと昔前へタイムスリップしたかのよう。
これぞ日本の原風景に見えますが、佐渡だからこそ見られる「本当の日本の原風景」があります。
それが、トキが舞い降りる田園風景です。

かつて日本各地には普通にトキがいて、餌や水を求めて田んぼに舞い降りては、羽ばたいていたのです。
やがて戦後の農薬使用や環境(暮らし)の変化等によって、トキが見られる場所は佐渡だけとなりました。
その後、佐渡では保護活動やトキが暮らしやすい里山の環境づくりを行うことによって、野生で見られるトキが増えてきています。
島の中央部に広がる国中平野の東側に、「トキの森公園」があります。
公園内は「トキ資料展示館」と「トキふれあいプラザ」があり、トキについて詳しい情報を得られるほか、
トキが生息する森や田んぼを眺めることができます。
私は、運良くトキが数羽飛んでいる光景を見ることができました!

朝日に染まる、棚田で深呼吸!

広大に広がる田んぼはもちろん、佐渡には山も多いため、棚田がいくつも見られます。
これもまた、山がちな日本で各地で見られた光景のようですが、近代化や輸入米の増加によって、
農家は減少して棚田も自然の山の姿に戻ってしまった地域が多々あります。

佐渡の棚田で、私のおすすめは、海を目前にした「岩首昇竜棚田」です。
早朝に訪れれば、棚田越しに、海から顔を出す朝日を遥拝できます。
両手を伸ばして、ふう〜と深呼吸!

ちなみに、岩首昇竜棚田について佐渡棚田協議会によれば、

海沿いの集落から標高350Mを越える山間に棚田が広がっており、江戸時代頃に開田が進み、その形状を残しながら受け継がれた田圃は現在460枚ほどあります。 山からの清水や湧水にも恵まれ、海から昇る朝日の光と海から吹く風の中でゆっくり丁寧に育てられたお米です。 変形田が多く機械作業も難しく、また高い土手の草刈作業を何回も行いながら1人1人が棚田保全に努めています。

https://sadotanada.com/tanada/iwakubi/

それと、私が訪れて感動した広大な棚田は、小倉千枚田。
これは、江戸時代に金山採掘による鉱山町の相川が人口急増したため、米不足を解消するために開発されたそうです。
かつては、最大5町歩ほどあったそうで、東京ドームほどの広さがあったと伝わります。
その後、さまざまな理由で休耕田や荒廃田となりかけ、平成20年頃から「千枚田復活」の声が聞かれるようになって、小倉千枚田管理組合が設立。
棚田オーナー制度とボランティア活動を取り入れ、管理・保全活動を行なっています。
米作りには、山の清水を使っているそうです。

田んぼアートを見て、トキと共生する暮らしを考える

人とトキが共生するためには、田んぼの生態系を豊かにする特別な農法が必要のようです。
農薬や肥料を減らすことはもちろん、生き物の調査を行ったり、
田んぼと水路を生きものが自由に行き来できる通り道「魚道(ぎょどう)」を設置したり、
使われていない田んぼに水を張る「ビオトープ」を設置したり、
冬の稲刈り後の田んぼにも水を張る「ふゆみずたんぼ」を設置したり。
こうした「生きものを育む農法」で栽培されたお米は、「朱鷺と暮らす郷づくり認証米」として販売されています。
これらは、「朱鷺と暮らす郷づくり認証制度」によって管理されています。

さて、トキの森公園の近くでは、「朱鷺と暮らす郷 田んぼアート」が毎年行われています。
佐渡の取り組みを知ってもらい、アートを楽しんでもらうために、2017年からスタート。
私が見たのは、令和2年の田んぼアートで、金山の「道遊の割戸」とトキを描いたもの。

現在、佐渡で確認されているトキは500羽以上です。
トキを育む”豊かな田んぼ”は、古来日本人が多く見てきた原風景といえるものでしょう。
佐渡が、ふたたび取り戻している「トキのいる田んぼ」、ぜひ見にいってくださいね!

佐渡の概要やアクセスはこちらから https://shimano-takara.com/sado/